「行ける行ける、3人いれば余裕だろ!」
先頭を歩くのは、街でも評判の力自慢の戦士。
その後ろには、筋骨隆々の斧使いと、拳を鍛え抜いた格闘家。
誰が見ても戦闘力だけは申し分ない“前のめりな”パーティだった。
目指すは、魔の森の奥地。
人づてに聞いた“とんでもない財宝”の噂に、彼らの目はギラついていた。
「こんな森、何が出てきたってぶっ飛ばせば─」
その瞬間だった。
バサッ、と空気が割れた。
木々の奥から現れたのは、巨大な影。
「……でかッ!!」
緑の肌、巻き上がる白髪、そして両手に握られた戦斧。
オーガ。
森の奥へ進もうとする者の前に現れる“門番”だ。
「かかれぇぇえええっ!!」
戦士の叫びとともに、3人は一斉に飛びかかった。
が――その数秒後。
「うわあああああ!!」
「武器が……斧が……っていうかアイツ、投げた石で地面が割れたぞ!?」
「ちょっと、マジで死ぬマジで死ぬ!!」
3人はボロボロになりながら、持っていた荷物も財布もポーションもすべて道にばらまき、全力で逃げ出していた。
振り返ると、オーガはそれ以上追ってはこなかった。
ただ、森の奥を背にして、じっと立っていた。
肩で息をしながら、戦士は地面にへたり込んだ。
そして、血まみれの顔でニヤッと笑う。
「…でもよ。あんなやべーやつが門番やってるってことは、やっぱり奥にはとんでもねえ財宝があるってことだよな…!」
仲間たちも、口元をゆがめてうなずいた。
敗北はした。だが、確信は得た。
森の奥には、誰も見たことのない“何か”が眠っている。
だから彼らは逃げ帰ったその日から、再び戻るための準備を始めるのだった。
【イラストレーター】
Velvet Circuit
Hi! I got to know this board game through a Japanese friend.
I found the ogre really charming — he looked surprisingly gentlemanly!
I love that side of him, but I also think it’s fascinating to see him showing different emotions.
I’d love to explore his relationships with other monsters too.
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https://patreon.com/VelvetCircuit
【文章】
○△■(まるさんかくしかく)

