酒場の奥、地図の広げた大きなテーブルを囲む4人の冒険者たち。
ジョッキには泡立つ麦酒、テーブルの上には地図と魔物が書かれた注意書き。
彼ら視線は、地図に示された魔の森に集中していた。
「ここよ。入口は森の東側、古い石造りの広場の先よ。昼間に出発するけど、森の奥へ進むほど暗くなるから気をつけて。」
と、紫のローブをまとった魔法使いの少女が指を差す。
「ルート確認完了。あとは装備の最終点検と、出発時刻の確認だな。初めての場所だからね、念には念を入れよう。」
剣士は落ち着いた声で言いながら、もう一度地図のルートを指でなぞる。
紅い髪に金縁の鎧、腰の剣は手入れが行き届き、無駄のない動きからは歴戦の気配が漂う。
「おいおい、ビビってんのかよ。魔の森って言っても、木が動いたり話しかけてくるくらいだろ?」
陽気な格闘家が大ジョッキをあおって笑う。腕には応急処置用の包帯。日々の無茶の証拠だ。
「……それ、いちばん怖いんだけど」
テーブルの端で静かに耳を動かす白毛の獣人。
「でも今回は準備万端よ。探索魔法に抗呪装備、回復薬も山ほどあるし。ね?」
魔法使いがにっこり笑って言うと、格闘家が胸を叩いた。
「任せとけ!オレの拳があれば、どんな木だろうが丸太にしてやるさ!」
「ちょっと、目的忘れてない?」
剣士と魔法使いが一斉にツッコむと、獣人がボソリとつぶやいた。
「…でも、今回はなんか変な気配がする。あの森、息を潜めてこちらを待っているかのように静かなんだよ」
4人の間に、ふっと沈黙が流れる。
外では風がざわりと吹き、窓を揺らした。
「明日、出発だな」
剣士が静かに地図を折りたたむと、全員がうなずいた。
こうして、魔の森の探索前夜は更けていく。
その先に待つのが財宝か、災厄か、それとも何か別の運命か。
それはまだ、誰も知らない。
【イラストレーター】
ガラス/幸乃硝子
幅広い絵柄が自慢のオールラウンドなイラストレーターです。
リアルテイストからゆるさ全開のイラスト、アメコミ風やホラー調まで、どんなジャンルにも柔軟に対応可能です。
本格的な漫画制作も得意とし、多様なニーズに応える表現力でクライアントのビジョンを形にします。
どんな挑戦にも全力で取り組み、唯一無二の作品をお届けします!
今回担当させて頂いたイラストでは、剣と魔法のファンタジーの世界で、パーティメンバーたちがこれからの冒険に想いを馳せる様子を描かせていただきました。
冒険者たちのワクワク感が皆様に伝わってもらえたら嬉しいです!
▶︎ ガラス/幸乃硝子さんのプロフィールはこちら
https://www.lancers.jp/profile/glass_0224
【文章】
SATO TAKERU

